1.目の成長の遅れ=弱視
産まれたばかりの赤ちゃんは、眼の見え方が非常に悪く視力は0.02(視力表の一番上の丸の切れ目が1m先でようやく見える程度)位しかありません。
その後、眼の奥にきれいな光が当たり続けることで、視力が0.02⇒0.1⇒0.5⇒0.9⇒1.2と発育していきます。
しかし、視力の発育の途中で、きれいな光が当たらないと視力の発育が途中で止まってしまい、メガネやコンタクトを付けても視力が0.5以上でないという状況になってしまうことがあります。
この視力の発育が途中で遅れてしまい、メガネを付けても視力が出ない状態を弱視といいます。
視力の発達期間は、だいたい10歳までとなっております。そのため、20歳になってから治療を開始しても効果が出なくなってしまいます。もし弱視をそのまま放置したりしてしまいますと、手遅れになってしまい将来視力に関係のある仕事に就く時などに影響が出てきてしまうので、発見され次第治療が必要になります。
2.一般の目が悪いと眼科の目が悪いは少し違う?
通常目が悪いといわれ頭に思い浮かぶのは、裸眼視力(メガネを付けていない状態での視力)が1.0ないと目が悪いといわれることが多いのですが、眼科的な考えでは裸眼視力が0.2であってもメガネを付けて視力が1.0でていて、眼に病気がなければ問題ないとの判断になります。
弱視の場合は、どんなにレンズ入れても視力が出ないので、治療が必要になります。
3.弱視の原因となる目にきれいな光が当たらないってどういうこと?
人間の目はきれいな光が目の奥の網膜という所にあたると視力などの視機能が発達していきます。
目の発達が阻害されてしまうには、いくつか条件があります。
たとえとして、このような左図を見ていたとします。
Ⅰ.強い遠視、乱視がある(多少であれば大丈夫です)
強い遠視や乱視がありますと、上図を見ていた物がこのような右図のような感じで見えています。
この状態ではぼやけてしまう光が目の奥にあたっているので、視力の発達の遅れの原因となります。
Ⅱ.右目と左目の度数に大きな差がある(眼科用語で不同視がない状況です)
左右の目で見え方(度数)が異なった場合、例えば右目は遠視も乱視もない状態・左目は強い遠視がある状態ですと、右と左でこのような感じで見えてしまいます。
今の状態ですと、左目だけはきれいな光が当たっていないので絵がボヤけてしまっています。
きれいな光があたっている右目は正常に発達しますがぼやけた光があたっている左目は視力の発達が遅くなり弱視となってしまうことがあります。
Ⅲ.目(視線)が片方だけ、そっぽを向いている状態
(眼科用語で、斜視がない状態)
斜視とは目が片方だけそっぽを向いてしまう状態です。
この状態ですと、下図みたいに物が2重にみえてしまいます。
2重に見えてしまっている状態では非常に生活がしにくいので、下図みたいに目の位置がずれている方の目を使わなくなってしまいます。
このため、見ているものは下図のように1つに見えて楽になりますが、ズレている方の目は使われなくなってしまうので目の発達が止まってしまい、弱視の原因となってしまうことがあります